ここ数年、日本の言論界が今さら話題にしている思想「加速主義」や「暗黒啓蒙」に対して、私たちはある種の「もっともらしさ」や「既視感」を感じてしまった。……
いつもお世話になっております、「大失敗」左藤青です。一月の京都文フリと五月の東京文フリで無事『大失敗』創刊号を完売することができました。ありがとうございます。 様々な方からメールやTwitterその他様々な場所でご感想をいただいているのですが、そ…
※ 赤井浩太による報告記事 5月3日に行われた『機関精神史』主宰・後藤護氏と赤井浩太によるトークイベント(『令和残俠伝 ー止められるか俺たちを』)は盛況に終わり、東京文フリで売られた『大失敗』も完売という形で終わったことは喜ばしいことである。し…
どうも、赤井浩太です。こういった報告記事の類いはたいてい左藤がやってくれるのですが、いま彼は国にお金をねだるための書類作りで忙しいので、今回はぼくが担当します。 さて、GWでした。われわれ「大失敗」は初の東京遠征だったのです。トークイベント「…
「大失敗」運営の赤井浩太です。 5/3のトークイベント・プログラムを発表いたします。 当日は御来場の皆様にお会いできることを楽しみにしています。 どうぞよろしくお願いいたします。 令和残侠伝―止められるか、俺たちを― 概要 後藤護(機関精神史)と赤井…
みなさま、ご無沙汰しております。左藤青です。本日は二つほど告知させていただきます。ゴールデンウィーク中の『大失敗』についてです。 令和残俠伝(5月3日) 前衛批評おまけ雑誌『小失敗』 (5月6日) 令和残俠伝(5月3日) 来るべき5月3日、元号が変わっ…
「家族」の問題をあぶり出すだけでは、マイケル・マンの資本主義の問題を取り扱うには不十分である。マイケル・マンを取り扱う際にマーク・フィッシャーが見落としているのは「夜景」を彩るビルディングの明かり。つまり「光」の問題が抜けているのだ。
だから--これは非常に残念なことなのだが--、はっきり言えば、「脱構築」が安倍政権を打倒することはないだろうし、天皇制を目に見える仕方で解体することもないだろう。それは喫緊に、差し迫った問題を、すぐさま、有効に、プラグマティックに、目に見…
「昭和」から「平成」へ、かつてあったはずのあの切断についても、これから生じることになるあの切断についても、それ自体ひとつの「配列」以外のなにものでもないことが意識されなければならない。(拙稿「昭和の終わりの『大失敗』」、『大失敗』創刊号、…
お久しぶりです、「大失敗」左藤青です。 この一ヶ月ほど、「大失敗」運営三人が多忙のためほとんど身動きできない状態だったのですが、ついに創刊号の通販を開始することとなりました。 『大失敗』創刊号は、京都文フリ後も赤井と左藤の手売りを中心に少し…
「大失敗読書会」は、「大失敗」運営の三人がそれぞれ選んだ本を順番に読んでいく形式で行います(二週間に一度〜月一、スカイプで実施)。対象は小説・評論・哲学などなんでもありですが、内容のテーマや問題意識などが、それとなく前回とつながるようにな…
1月20日にみやこめっせで行われた文フリ京都でしたが、無事終了いたしました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました! 赤井浩太、初サイン!! pic.twitter.com/W2JitzrmDu — 前衛批評集団『大失敗』 (@daisippai19) January 20, 2019 ありがた…
二〇一九年一月二〇日発売の『大失敗』創刊号、巻頭言の「《現実≠現在》へ もうひとつの〈前衛〉と「大失敗」のために」(左藤+しげの)です。
daisippai.hatenablog.com 昨日、わたしの友人である赤井浩太さんが『すばるクリティーク賞』なる賞を受賞しました。これはたいへんめでたい事です。賞のなまえが県名の後に「情報」とか「クリエイティブ」とかつけさえすれば大学の名になるとおもっているバ…
「大失敗」運営の赤井浩太がこの度、「日本語ラップfeat.平岡正明」ですばるクリティーク賞を受賞しました。
こんにちは、「大失敗」運営の左藤青です。 繰り返しお伝えしていました通り、ついに『大失敗』本誌の発売が一月二〇日にせまっていますが、ブログ立ち上げ以来(宣伝のために!)書いてきた記事の主要なものをまとめておきます。発売までに各自予習しておく…
僕は小説家・磯﨑憲一郎を尊敬しているし、氏の作品が好きである。「批評」を標榜している割には、とりわけ小説の類をそんなに読めていない僕にとって、端正で執拗なまでの具体的描写と、時には突飛な場面転換が持ち味の磯﨑の作品は数少ない愛読書であり、…
二〇一九年一月、京都文フリにて発売の『大失敗』創刊号の内容紹介です。テーマは「《異化》としての批評」、「『昭和の終わり』と『平成の終わり』」の二本立て。そのほか、絓秀実氏による論考を収録いたします。
(前編) daisippai.hatenablog.com 郊外、この光あふれる空間 前半で見てきましたように、この小説『空中庭園』は作者である角田光代の意図を超えて空間の近代性そのものを問題化しています。それは言い換えれば、日本の住宅空間がきわめて形式的/機能的に…
▲角田光代『空中庭園』(2003年) 郊外、この遍在する空間 酒鬼薔薇事件(一九九七)をはじめとして、「郊外」と呼ばれる社会空間が問題化したのは一九九〇年代でした。またそれと前後するかたちで「郊外」を主題とする書籍や論文や評論がさまざまな領域から…
(九月・十月の記事まとめはこちらです) 平素より大変お世話になっております。批評集団「大失敗」の左藤青(@satodex)です。 いよいよ寒くなってきましたね。実は『大失敗』第一号の原稿がだいたい出揃い、今編集作業に入っています。胃が痛いです。本誌…
道は光ばかり胸の影を誰が知る(平沢進 - 空転G) ※前編 daisippai.hatenablog.com 〈夜〉=執行猶予 前編では、『氷の世界』が、常にある踏切=境界=「断絶」のイメージで貫かれていること、その彼岸と此岸のどっちつかずの緊張感において井上陽水は「待ち…
『氷の世界』(一九七三年)の井上陽水は滞留している。ここでの滞留とはある境界の上で滞り、留まることである。言い換えれば、井上陽水はどっちつかずの場所で「待ちぼうけ」ているのだ。井上陽水の詩において、世界は動き続け、主体(「僕」)は動けない…
SNSが広まり、誰もが「表現すること」の快楽を享受しうることが可能な現代において、言論の自由並びに、表現の自由はきわめて「民主的」な権利となっている。しかし金井美恵子がいうように「書くという権利は誰にでも平等にあるわけなんですけれど、書く資格…
外山恒一にとって、「ニッポンの思想」は批評家だけで構成されているわけではない。そこにはアクティヴィスト(活動家・運動家)も参入しなければならないのである。この点において、外山はある種「批評」に対する他者として、『ゲンロン』座談会に接してい…
記事のまとめです。外山恒一、浅田彰、東浩紀、平沢進など。
新しい情報の提供があるわけでもなく、新しい価値判断があるわけでもない、ましてや学問的研究の積み重ねがあるわけでもない、なにか特定の題材を設定しては、それについてただひたすらに思考を展開し、そしてこれいった結論もなく終わる、奇妙に思弁的な散…
浅田彰は神話を再構成する広告を生産し続ける。小林や吉本のような形ではなく、堂々と貴族であることを自負し、未だに神話を享受しなければならない人々を嘲笑いながら。
私、永觀堂雁琳は、この度左藤青(砂糖)氏(@satodex)によって結成された批評集団「大失敗」に招聘され、同会が出版する同人誌『大失敗』創刊号に評論を寄稿する運びとなった。批評集団「大失敗」のサイトの巻頭を飾る左藤氏による「哄笑批評宣言」には、2…
トリックスターとは、あるコミュニティにおいて、「中⼼」的な地点が弱体化した際に、それを盛り上げるものとして登場する「周縁⼈」のことである(⼭⼝昌男「⽂化と両義性」)。中⼼と周縁の関係は常に両義的で、周縁という他者がいることによって、⾃⼰と…