『水滸伝』とは時代の不満分子―――あぶれもの、はみだしものが彼らの“小宇宙”を、国家に対する二重権力を創出する物語である(竹中労「梁山泊窮民革命教程」)*1 ゲバリスタ時代の竹中労を引いたこと自体に意味はない。 とはいえ、外山恒一の大著『全共闘以後…
われわれが屋根裏部屋をもたなくなったときでも、またマンサルドをうしなったときでも、われわれが屋根裏部屋を愛したということや、マンサルドにすんだということは、いつものこることであろう。われわれは夜ごとの夢でそこにかえってゆく。この隠れ家は貝…
あまりに人間的 何か新しいことをやらかさなきゃいけません。私のビジネスはひどく難しい。なぜって、人間の情に訴えるのが私の商売ですからね。そりゃ、人間の心を揺すぶることはまだいくらかはありますよ。ほんのいくらかはね。ところが、そういう手でも何…
マーク・フィッシャーが死んだ 資本主義が唯一の存続可能な政治・経済的制度であるのみならず、今やそれに対する論理一貫した代替物を想像することすら不可能だ、という意識が蔓延した状態(マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』邦訳10頁) それが「…