批評集団「大失敗」

「俺たちあくまでニューウェーブ」な批評集団。https://twitter.com/daisippai19

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

待ちぼうける陽水——井上陽水『氷の世界』について(後編)

道は光ばかり胸の影を誰が知る(平沢進 - 空転G) ※前編 daisippai.hatenablog.com 〈夜〉=執行猶予 前編では、『氷の世界』が、常にある踏切=境界=「断絶」のイメージで貫かれていること、その彼岸と此岸のどっちつかずの緊張感において井上陽水は「待ち…

待ちぼうける陽水——井上陽水『氷の世界』について(前編)

『氷の世界』(一九七三年)の井上陽水は滞留している。ここでの滞留とはある境界の上で滞り、留まることである。言い換えれば、井上陽水はどっちつかずの場所で「待ちぼうけ」ているのだ。井上陽水の詩において、世界は動き続け、主体(「僕」)は動けない…

絓秀実入門(前編)差別意識とフォルマリズム

SNSが広まり、誰もが「表現すること」の快楽を享受しうることが可能な現代において、言論の自由並びに、表現の自由はきわめて「民主的」な権利となっている。しかし金井美恵子がいうように「書くという権利は誰にでも平等にあるわけなんですけれど、書く資格…

資本主義的、革命的(後編)—外山恒一の運動する運動

外山恒一にとって、「ニッポンの思想」は批評家だけで構成されているわけではない。そこにはアクティヴィスト(活動家・運動家)も参入しなければならないのである。この点において、外山はある種「批評」に対する他者として、『ゲンロン』座談会に接してい…

「大失敗」九月・十月記事まとめ

記事のまとめです。外山恒一、浅田彰、東浩紀、平沢進など。