批評集団「大失敗」

「俺たちあくまでニューウェーブ」な批評集団。https://twitter.com/daisippai19

しげのかいり

加速主義と日本的身体 —柄谷行人から出発して

ここ数年、日本の言論界が今さら話題にしている思想「加速主義」や「暗黒啓蒙」に対して、私たちはある種の「もっともらしさ」や「既視感」を感じてしまった。……

「大失敗」のスタイル変革を要望する

※ 赤井浩太による報告記事 5月3日に行われた『機関精神史』主宰・後藤護氏と赤井浩太によるトークイベント(『令和残俠伝 ー止められるか俺たちを』)は盛況に終わり、東京文フリで売られた『大失敗』も完売という形で終わったことは喜ばしいことである。し…

資本主義の光 ——マイケル・マンの光

「家族」の問題をあぶり出すだけでは、マイケル・マンの資本主義の問題を取り扱うには不十分である。マイケル・マンを取り扱う際にマーク・フィッシャーが見落としているのは「夜景」を彩るビルディングの明かり。つまり「光」の問題が抜けているのだ。

『大失敗』創刊号 巻頭言(左藤青+しげのかいり)

二〇一九年一月二〇日発売の『大失敗』創刊号、巻頭言の「《現実≠現在》へ もうひとつの〈前衛〉と「大失敗」のために」(左藤+しげの)です。

鈍刀(ひらがな)を振るうー赤井浩太について

daisippai.hatenablog.com 昨日、わたしの友人である赤井浩太さんが『すばるクリティーク賞』なる賞を受賞しました。これはたいへんめでたい事です。賞のなまえが県名の後に「情報」とか「クリエイティブ」とかつけさえすれば大学の名になるとおもっているバ…

「大失敗」これまでの歩み、ブログ記事まとめ(2018.9〜2019.1)

こんにちは、「大失敗」運営の左藤青です。 繰り返しお伝えしていました通り、ついに『大失敗』本誌の発売が一月二〇日にせまっていますが、ブログ立ち上げ以来(宣伝のために!)書いてきた記事の主要なものをまとめておきます。発売までに各自予習しておく…

絓秀実入門(前編)差別意識とフォルマリズム

SNSが広まり、誰もが「表現すること」の快楽を享受しうることが可能な現代において、言論の自由並びに、表現の自由はきわめて「民主的」な権利となっている。しかし金井美恵子がいうように「書くという権利は誰にでも平等にあるわけなんですけれど、書く資格…

浅田彰と資本主義 赤い文化英雄(後編)

浅田彰は神話を再構成する広告を生産し続ける。小林や吉本のような形ではなく、堂々と貴族であることを自負し、未だに神話を享受しなければならない人々を嘲笑いながら。

浅田彰と資本主義 赤い文化英雄(前編)

トリックスターとは、あるコミュニティにおいて、「中⼼」的な地点が弱体化した際に、それを盛り上げるものとして登場する「周縁⼈」のことである(⼭⼝昌男「⽂化と両義性」)。中⼼と周縁の関係は常に両義的で、周縁という他者がいることによって、⾃⼰と…