批評集団「大失敗」

「俺たちあくまでニューウェーブ」な批評集団。https://twitter.com/daisippai19

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

資本主義的、革命的(前編)—東浩紀の広告戦略について

新しい情報の提供があるわけでもなく、新しい価値判断があるわけでもない、ましてや学問的研究の積み重ねがあるわけでもない、なにか特定の題材を設定しては、それについてただひたすらに思考を展開し、そしてこれいった結論もなく終わる、奇妙に思弁的な散…

浅田彰と資本主義 赤い文化英雄(後編)

浅田彰は神話を再構成する広告を生産し続ける。小林や吉本のような形ではなく、堂々と貴族であることを自負し、未だに神話を享受しなければならない人々を嘲笑いながら。

「反動的異化」に居直る —永觀堂雁琳「晦暝手帖」のこれまでとこれから  

私、永觀堂雁琳は、この度左藤青(砂糖)氏(@satodex)によって結成された批評集団「大失敗」に招聘され、同会が出版する同人誌『大失敗』創刊号に評論を寄稿する運びとなった。批評集団「大失敗」のサイトの巻頭を飾る左藤氏による「哄笑批評宣言」には、2…

浅田彰と資本主義 赤い文化英雄(前編)

トリックスターとは、あるコミュニティにおいて、「中⼼」的な地点が弱体化した際に、それを盛り上げるものとして登場する「周縁⼈」のことである(⼭⼝昌男「⽂化と両義性」)。中⼼と周縁の関係は常に両義的で、周縁という他者がいることによって、⾃⼰と…

【書評】外山恒一『全共闘以後』

『水滸伝』とは時代の不満分子―――あぶれもの、はみだしものが彼らの“小宇宙”を、国家に対する二重権力を創出する物語である(竹中労「梁山泊窮民革命教程」)*1 ゲバリスタ時代の竹中労を引いたこと自体に意味はない。 とはいえ、外山恒一の大著『全共闘以後…

遠近法と声の抵抗——P-MODEL『Perspective』について

われわれが屋根裏部屋をもたなくなったときでも、またマンサルドをうしなったときでも、われわれが屋根裏部屋を愛したということや、マンサルドにすんだということは、いつものこることであろう。われわれは夜ごとの夢でそこにかえってゆく。この隠れ家は貝…