『氷の世界』(一九七三年)の井上陽水は滞留している。ここでの滞留とはある境界の上で滞り、留まることである。言い換えれば、井上陽水はどっちつかずの場所で「待ちぼうけ」ているのだ。井上陽水の詩において、世界は動き続け、主体(「僕」)は動けない…
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