批評集団「大失敗」

「俺たちあくまでニューウェーブ」な批評集団。https://twitter.com/daisippai19

大失敗、東京遠征編

 

  どうも、赤井浩太です。こういった報告記事の類いはたいてい左藤がやってくれるのですが、いま彼は国にお金をねだるための書類作りで忙しいので、今回はぼくが担当します。

 さて、GWでした。われわれ「大失敗」は初の東京遠征だったのです。トークイベント「令和残侠伝」と、同人誌イベント「文フリ東京」の二本立てで、とても充実したGWとなりました。というわけで、その報告をぼくの感想を含めてお伝えしようと思います。

トークイベント「令和残侠伝」

 「せっかく東京に行くんだから、何かやらないともったいない」というビンボー根性(営業努力?)でトークイベントをやろうと言い出したのは左藤でした。そこでぼくが日ごろお世話になっている「機関精神史」主宰の後藤護さんにお願いして一緒に対談イベントを開催する運びになりました。「令和残侠伝 —止められるか、俺たちを―」というタイトルは後藤さんが考えてくれた名前です。トークイベントに登壇することなんて初めてのぼくは、「イケイケドンドン感がすごいな」と思い、正直なところ若干尻込みをしていたのですが、何度かの打ち合わせの末、イベントのプログラムが「機関精神史」×「大失敗」による〝対バン〟のような様相を呈してきて、これはもう大変なことになるぞと思いました。

 というのも、大失敗ファンの皆さまはご存知の通り、気の弱いぼくとは違って、左藤としげのは息をするように人様の悪口を言うので、当日何を言い出すか分かったものではなかったからです。それに、たかが同人誌のイベントにお客さんは来てくれるのか、用意したプログラムは上手くいくのか、そもそもぼくはちゃんと人前で喋ることができるのか……。そういう考えたらキリがないほどの心配をバックパックに詰めて東京へ向かいました。

 そして当日、フタを開けてみれば超満員。立ち見客にとどまらず、外でキャス放送を聞く人たちまで出てしまうことになりました。これは予想していた来場者数よりも遥かに上回った結果ですが、ぼくたちはこんなに多くの人たちが見に来てくれるとは思いもしなかったのです(次こそはもっとキャパの大きい会場でやりたいです)。そして肝心の対談はというと、個人的な反省は山ほどあるのですが、それはともかくとして、後藤さんとぼくの「マチャアキ観」の違い、そして「機関精神史」と「大失敗」の目的や方法の違いなどが鮮明になり、スリリングかつシビアな議論が展開できたと思います。ちなみに左藤としげのは基本的に通常運転ではあったものの、ぼくが心配したほどのことはありませんでした。むしろぼくが穏当すぎたかと反省した次第です。ともあれ、トークイベント「令和残侠伝」は盛会のうちに幕を閉じました。

 19時から21時過ぎまでの長丁場にもかかわらず、ぼくらの話を聞いて頂いた皆さま、本当にありがとうございました。それから、このイベントを手伝ってくれた方々にも感謝を申し上げます。そして後藤護さん、「機関精神史」の皆さま、お付き合いいただき本当にありがとうございました。

文学フリマ東京

 ぼくたちが初めて出店したのは今年一月の文学フリマ京都でした。どうやら京都は評論ブースが東京に比べて少なく、そちらを目当てのお客さんも比較的少なかったようなのですが、それでも滑り出しとしては好調でした。そのあと通信販売を始めて、地方に住む読者の方にも郵送で販売をしました(現在は受付を一時停止しています)。

 前から予定していたことではありますが、文学フリマ東京ではどれぐらい売れるのかということがぼくの関心事でした。とはいえ、ブログがどれだけ読まれていても、それがそのまま同人誌を買ってくれる人の数になるとはかぎりません。その意味ではどうなるのか、これもまたトークイベント同様に予想がつきませんでした。

 ほかの同人ブースに比べると、店の外装も貧相な「大失敗」ブースではあったのですが、しかし開場直後からありがたいことに客足は途切れず、本誌『大失敗』創刊号も『小失敗』も順調なペースで売れていきました。そうそう、今回はただ創刊号を持っていくだけではつまらないと、これもまた左藤が言い出したので(彼は本当に仕事熱心です)、おまけとしてエッセイとブック&CDレビューを載せた冊子「小失敗」を作ったのです。入稿〆切まで時間がなかったので、大急ぎでエッセイを1本、レビュー6~7本を三人それぞれ書きました。ブログで「大失敗」を始めてからというもの、左藤が言うように「地獄の千本ノック」をやっているような気持ちになります。(ブログの書き手を募集しています)

 まぁそれはいいとして、「大失敗」ブースには創刊号に寄稿して頂いた絓秀実さんをはじめ、商業誌でお名前を目にする著名な方々にも『大失敗』や『小失敗』を買っていただきました。ぼく個人としては、「わー、ツイッターでフォローしてる人だー!」と感動しつつ、恐縮しきりでした。途中、杉田俊介さんと話すためにぼくが席を外したため、左藤のワンオペ状態となってしまい、どうやら大変だったようです。しかしぼくが戻ってきたときには売り子の方も到着し、それからもどんどんと売れていって、ついには閉会までかなり時間を残して『大失敗』も『小失敗』も在庫がなくなってしまいました。

 そのようなわけで「大失敗」初の東京進出はありがたいことに大盛況、これにて創刊号初版は完売となりました。もちろん増刷は予定しています。おそらくそのうち通信販売も再開しますので、今回買いそびれた方は受付再開の告知をお待ちください。

赤井の極私的総括

 楽しすぎて疲れた。それがGWの、というか「大失敗」を始めてから創刊号を売りきったGWまでのぼくの感想です。よく知らないままとんでもないジェットコースターに乗ってしまったあとのような、興奮と緊張が一気に弛緩していく感覚がまだ残っています。思い出してみれば、初っ端からバズったり、炎上しかけたり、ケンカを売ったり売られたりと、「大失敗」への道はスタートからスリル満点でした。何かあるたびにゲラゲラ笑って、そのたびに速度がグングンと上がっていき、気がつけば暴走列車のようになっていました。そう、だから、笑う暴走列車、ドーン。つまり、大失敗。

 とはいえ、ぼくたちにとって重要なことは「持続」であって、「加速」ではないのですが、ただ「出発」するためにはやはりある程度「加速」しなければならないこともまた事実でしょう。その意味で「大失敗」はなかなかの初速を出せたのではないでしょうか。

 さて、ここからは「持続」することが課題になってきます。これに関しては不足している要素が多々あることは否めません。ブログの書き手、校正・編集員、その他の雑務など、「大失敗」はつねに人員不足です。お手伝いをして頂ける方、募集中です。大失敗の「愉快な仲間たち」が歓待いたします。それから『大失敗』二号ですが、現在準備中です。メンバーを増やして、さらに「ポップ」で「前衛」的な批評誌を作る予定です。読者の皆さま、どうぞご期待ください。

 以上、ぼくの報告はこれで終わりです。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

 

(文責 - 赤井浩太

 

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▲都内某所の「大失敗」。左から、しげのかいり、赤井浩太、左藤青。ちなみに、「大失敗」が一堂に会したのは実はこの度が初めて。