「大失敗」運営の赤井浩太が「すばるクリティーク賞」受賞!(赤井によるコメント付)
こんばんは、「大失敗」運営の左藤青です。ツイッターなどでは情報がフライングで広まったりしていた関係で早くからお伝えしていたのですが、本日ブログでもお伝えします。「大失敗」運営の一人赤井浩太がこの度、「日本語ラップfeat.平岡正明」ですばるクリティーク賞を受賞しました。おめでたい。
【2019すばるクリティーク賞】受賞作:赤井浩太「日本語ラップfeat.平岡正明」。リズムから先に変われ。目的のない青ざめた批評はもうたくさんだ――谷川雁、平岡正明らの言葉をヒップホップでアップデート。選考委員にポレミックで野蛮と評された25歳のデビュー批評!#すばる2月号
— すばる編集部 (@subaru_henshubu) 2019年1月4日
『すばる』サイトはこちら。→すばる - 集英社
▲「すばる」サイトの画面。ちなみにこの帽子は前に会った時忘れていったので左藤の家にあります。
すばるクリティーク賞は、名前の通り文芸誌『すばる』の賞でして、選考委員は大澤信亮氏、杉田俊介氏、浜崎洋介氏です。今回はゲストとして中島岳志氏が参加されています。浜崎氏は、ブログでも赤井の論考についてご紹介されています。
一緒に雑誌を作ってきた仲間がこうしていろんなところで言及されているのは、身内としてはなんだか変な感覚ですが、今後の「大失敗」にとっても赤井の批評ライフにとっても大きな一歩になることでしょう。ツイッター上での反応もまとめてみました。是非ご覧ください!
さて、今回の受賞にあたって、赤井から「大失敗」向けにコメントをもらいましたので、掲載しておきます。
過去の栄光は食えねぇから捨てろ。――MY HEAT/THA BLUE HERB
第二回すばるクリティーク賞を頂いた。
選評も読んだ。言いたいことは色々あるが、何はともあれありがたい。しかし賞を獲って浮かれているような暇はない。『すばる』で貰えたチャンスにかじりついていこうと思う。俺が臨む道のりは長いのだ。
だから読者の皆さま、どうかここはひとつ、若輩者の青くさい志を買っていただきたい。
さて、すでに我が「大失敗」は動きだしている。
俺の役割は、批評シーンに向けられた鉄砲玉、あるいは橋頭堡だと言っておこう。
この受賞を皮切りに、左藤青、しげのかいり、俺というポレミカルな、あまりにポレミカルな同人三名で批評の前衛ラインを形成する。
歴史を振り返ってみれば、日本の文芸は、生まれては消えてゆく魑魅魍魎のような同人誌の中で育った。商業誌はそこから活きの良いやつを吸い上げて日本の文学や思想を成長させてきた。そして今、アンダーグラウンドにおいて増殖しつつある批評誌のさまざまなグループは、新たなる可能性の種子であり、同時に出版不況の反映でもある。
そういう状況のなかで、これは俺の予想ではあるが、近視眼的な流行り一辺倒ではなく、辛めの政治性とコクのある歴史性をグツグツに煮込めたヤツから頭ひとつ抜けてくるだろう。
時代は今が潮目だぜ、まだ見ぬ同志たちよ。今のうちにてめぇの頭を左に巻いておけ。
そしてまだ一巻も出ていないうちから「大失敗」に目を付けた読者の皆さま、その御眼鏡にかなうブツを用意いたしました。1月20日京都文フリ、よろしくお願いします。
最後に、引用をひとつ。
いま時代がおれらに合わせ通過。――NEW MONEY Remix/TOC
以上です。なんかがんばっていますね。
そういうわけで、『すばる』とともに、「すばるクリティーク賞」受賞者による宮台真司論が掲載されている『大失敗』一号もどうぞよろしくお願いいたします(批評家・絓秀実氏による論考も掲載)。ちなみに赤井の方でも「大失敗」について総括的なツイートをしているので、彼のアカウントからごらんください。
これはぼく個人にとっても大事なことで、平岡正明を読んできた身としては、「批評」や「思想」と呼ばれる書物は、まず読んで爆笑したり興奮したりするものです。しかしただ「ウケる」だけでなく、それは同時に自分が自明だと思っていた「現実」が揺らいでいくような経験でもあります。
— 赤井浩太(レコロ) (@rouge_22) 2019年1月4日
ちなみにフライングで情報を広めたのは、
某批評賞についてツイートしましたが、中森さん、文芸誌まだ発売前なんだから超フライングですよ! と言われた。申し訳ありません。削除しました。
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2019年1月2日
中森明夫氏でした。
▼ 赤井の寄稿する「大失敗」創刊号
(文責 - 左藤青)